ザ・チョイス - 複雑さに惑わされるな!
さて、下の図の システムA と システムB いずれがより複雑だろうか。
なんと、答えは システムA ・・・
というわけではなくて、それは複雑さの定義による。
一般的にシステムを説明するのにより多くのデータが必要であることを複雑さの物差しとすれば、システムB の方が明らかにシステムA より複雑だ。
だが・・・ 自由度で見ると、
システムB の自由度 ・・・ 1 。 なぜなら、一番下の円に手を入れれば、すべての円に影響を及ぼすことができる。
システムA の自由度 ・・・ 4 。
いつもながら、ゴールドラット博士の著作はエキサイティングだ。目が覚めた。
オブジェクト指向を利用して書かれたプログラムは 『複雑』 だ。コピー&ペーストで書かれたプログラムより・・・
また正規化されたテーブルは複雑だ。正規化しないテーブルより・・・
主にCOBOLを使われる諸先輩方はきっと、システムB が複雑 となる定義でシステムを見ていて、自分はシステムA が複雑だと考えているから、議論がかみ合わないんだ。いい悪いではなく。
また博士は言う。
- 人は善良である。
- 対立はすべて取り除くことができる。
- どんなに複雑に見える状況も、実はきわめてシンプルである。
- どんな状況でも著しく改善することができる。
- 常にウィン-ウィンのソリューションがある。
そうだ。みんな善良なんだ! 対立は取り除ける!状況はシンプルだ!
諸先輩と理解しあえるソリューションがきっとあるはずだ!
次に議論する状況になったら、あきらめずにウィン-ウィンのソリューションを探してみよう!
ザ・ゴール、 クリティカルチェーン などもエキサイティングだったが、工場長やプロジェクトマネージャでなければ、その手法を、なかなか実際に試してみる機会はない。だが、本書はむしろ非常に実用的な自己啓発書であり、哲学書だ。
今からでも、自分の人生に適用可能な手法(思考方法)なのである~