The Goal
企業の究極的な目的とは何か?TOC(制約理論)とは? 日本人に教えると、世界経済を壊滅させてしまう懸念があるため、翻訳が何年もなされなかったといういわく付きの一冊。
この本が売れている当時(7、8年前?)は、自己啓発本かなんかかと思って見向きもしていなかった。
最近プロジェクトマネージャの勉強をしていて、「クリティカルチェーン」というマネジメント手法があることを知ったのだが、その考え方は目からうろこ的なもので、非常に興味を持った。
簡単に言うと(といっても全体をしらんけど)、個々のスケジュールは余裕を持たせずにタイトにスケジュールして、バッファはマネージャが管理することで、計画の遅延を防いで、全体を最適化するというような考え方。
その考え方の考案者が、この本の作者でもある、エリヤフ・ゴールドラット博士。
読みたい本命は、「クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?」だけど、まずは、こっちからだろうと思って読み始めた。
まぁこれだけ売れた本にもかかわらず、予備知識がまったくないのはお恥ずかしいが、実用書かと思いきや、小説なんだね。
傾きかけた工場の工場長が、工場を立て直すお話。自分からしたら勘弁してほしいような嫁とのラブストーリーでもある。
が、が、が、これが面白い面白い。やめられない。しかも示唆に富む話が次から次へと。
たとえば、生産性を考えるときに、利用できるリソースには、2種類ある。それは、ボトルネックと、非ボトルネック。ボトルネックが存在する場合、なんと、全体の生産性は、いくら非ボトルネックの生産性が高かろうと、ボトルネックと等しくなっちゃうんだなこれ。そして、コストは、総費用をボトルネックの稼動で割った金額になってしまう。要するにボトルネックが、全体の生産性やらコストやらを左右してしまう。
逆に、全体の生産性をあげるには、ボトルネックの負荷を減らして、非ボトルネックにまわせばよい・・・ んだけど、そうするとボトルネックが移動しちゃったり。
いやー、工場の話なんだけど、いろいろ応用も効きそう。
というより、小説としても読ませるし、知的好奇心も刺激されまくり。
クリティカルチェーンも入手済みなので、読むのが楽しみ。