「物流」の版間の差分
ナビゲーションに移動
検索に移動
(同じ利用者による、間の2版が非表示) | |||
160行目: | 160行目: | ||
======日報作成====== | ======日報作成====== | ||
+ | *紙で作成していた日報の電子化 | ||
+ | *事務所に戻っての入力も不要にできる | ||
+ | |||
======運行実績の可視化====== | ======運行実績の可視化====== | ||
+ | *運行実績を分析しやすいように可視化 | ||
+ | *一覧で見せるだけでなくグラフ化が有効 | ||
+ | **稼働率グラフ | ||
+ | **積載効率グラフ | ||
+ | **急発進回数、急加速回数、急ブレーキ回数 | ||
+ | *燃費時系列 | ||
+ | *作業時間の比率 | ||
+ | |||
======データのダウンロード機能====== | ======データのダウンロード機能====== | ||
+ | *さまざまな分析に活用できる |
2022年6月6日 (月) 05:20時点における最新版
目次
物流
輸配送と輸配送管理システム
- 物流費の中で輸配送費が占める割合は半分を超えている。
- コストだけでなく納期遵守、納品時の振る舞いなど満たすべきサービスレベルといった輸配送品質も重要
- 安全性も重要
- QCD+S(Safety)を実現するためには、事前に輸配送を計画、可視化、コントロール、実績の収集により改善の継続が必要
輸送と配送の違い、路線便とチャーター便
- 輸送:2拠点間を結んで荷を運ぶこと
- 配送:荷を積んで複数拠点に配荷すること
トラック輸送の場合、路線便とチャーター便がある
- 路線便
- 拠点間を路線のように行き来
- 複数荷主の荷を積んで拠点間輸送を請け負う
- 輸送会社のスケージュールに依存した配車計画となる
- チャーター便
- 一社でトラックを借り上げ、指定した発地から指定した着地に輸送
- スケジュールやルートに自由度
配車計画が輸配送管理の中心業務
- 日本の配車計画は、ベテラン配車担当者によるExcelや紙での配車計画に支えられている
TMS(Transport Management System 輸配送管理システム)
- システムで配車する仕組み
- 配車要求計算(出荷方面集約・ルート集約)、車組み(保有車両割り付け、契約車両割り付け、追加要求車両)、配車指示などの機能
- TMSは古くからあるが、マスター整備の問題と物流を取り巻く他業務との連携を含む運用課題、操作の難易度から、ほとんど使われていない。
- マスターを常に最新化する必要がある、イレギュラー処理が多いと配車処理にイレギュラー処理が増えてしまう
輸送効率の改善
運行効率は、稼働率、実車率、積載効率の掛け算
- 稼働率
- トラックなどの車両が稼働したかの指標
- 実車率
- 実際に荷を積んでいた割合
- 実走行距離(実際に荷を積んでの走行距離) ÷ 走行距離
- 積載効率
- 最大積載量に対して、実際に積まれた量の割合
- 積載量/最大積載量
- 走行距離で荷の積み下ろしがあって積載量が変わる場合
- ((実走行距離×積載量)+(実走行距離×積載量)+・・・)/(実走行距離×最大積載量)
運行効率の測定では稼働率は日ベースになっており、トラックは停車などの非稼働時間があり24時間稼働は不可能なためこれらの時間は管理考慮外とすることが多いが、測定し原因分析を行う。
運行効率は効率をアップするために測定する。稼働率が落ちている場合には荷主を探す、実車率が落ちている場合は帰りの便の求貨をする、積載効率が落ちている場合は詰め合わせを検討するなどの改善策を取る。
物流トラッキング
- 物流トラッキングは現在宅配サービスでは当たり前になってきている
- 近年顧客要望がシビアにあり、時間単位でいつ届くのか、今どこにあっていつ届くのかという要求がでるようになっている
- 企業間取引サービス提供はまだ十分ではない
- ニーズは高いが物流会社だけでなく、荷主側会社の各社仕様の事情で実施できないのが実情
- 企業利点
- 倉庫での荷物の受け入れ準備ができる
- 遅延把握からのアクション
- 積送在庫(輸送中在庫)の把握
- 顧客への正確な納期回答(特に製品在庫が逼迫しているときなど)
受注オーダーと物流オーダーの紐付け
- 物流トラッキングは簡単には構築できない
- 購入企業、物流業者、出荷元企業の伝票ナンバーや輸送に関わる管理ナンバーの統合が必要
- 輸送業者の中にはアグリゲーターといい、出荷から納入先への着荷までをコントロールする業者も登場してきている
- 物流企業とは別に、物流トラッキング情報だけを管理提供するサードパーティ企業も存在
- 荷主の情報と書く物流会社の輸送ステータスを取得、紐付け管理する会社
TMSの機能と導入時の留意点
TMSの基本機能
- TMSの基本機能は配車と運行管理
- 需要変動が激しい昨今では、生産計画の変動も激しくなっているため、輸配送の柔軟性確保は重要課題
配車計画
- 柔軟な物流のために最重要しされているが配車計画
- 配車効率化ができれば、売上・利益に直結
- 輸配送荷物量から必要な配車所要量を計算
- 配車と同時に以下を実施
- 積付け計算:積載効率を最大化させるための最適な積み込みを算出する
- 車組み:ルート別のトラックに割り付けを行う
運行管理
- 運行管理は輸配送のQCDSを測定し、改善するために実施
- トラックに積んだデジタル・タコメーターからデータを収集し、付加的なデータはドライバー日報や配車実績から収集し管理
- 運行管理は輸配送後の結果を収集するが、リアルタイムでの運行情報把握する動態管理も可能になってきている
TMSの付帯機能
- 輸配送運賃計算
- 運賃シミュレーション
- 伝票や帳票作成
- 車両管理
TMSの機能:配車計画
出荷予定(販売計画・出荷計画・受注)・出荷指示情報の取得
- 出荷予定には、出荷予定そのもの、出荷予定の代替情報となる販売計画、出荷計画、受注情報がある
- 予定ではなく明確な指示である出荷指示情報もある
- 配車所要量計算をするためには出荷予定と出荷指示が必要
- 出荷指示情報は出荷直前の確定情報のため、正確な輸配送所要量計算と積み付け計算に有効
- 先々の予定情報である、出荷予定、出荷計画、受注情報は先々のトラックの予約に使用する
輸配送所要量計算
- 出荷指示・予定情報から必要なトラックの輸配送所要量(台数)を計算する
- 荷姿から容積換算や重量換算を行う
- 例えば出荷総積載単位数が5000、トラック1台当たりの総積載可能単位40であれば、積載効率80%換算でラフに5000/(40×0.8)≒16台 と計算できる
- 直近の配車のためには、さらに、車組みをして、積付け計算と進む
車組み(トラック割り付け)
- 輸配送所要量(台数)を方面別、納入先別トラックに割り付ける
- 自社便で自由に方面を変えられるトラックと既に予約済のトラックに割り付ける
- 自社便や予約した台数を超過する場合があれば傭車を行う
積付け計算
- トラック台数がある程度固まったら、荷姿マスターから荷の容積と重量を割り出し、自社で利用可能なトラックに割り付けていく
- 積載効率が高まり、全体で90%まで高まれば、上記例の16台が14台で済むことになる(16×(0.8/0.9)≒14)
- ここで再度車組みを行い、トラック手配を行う
- 実務的に積付け計算を常に行うかどうかは、運ぶ荷の荷姿の変動による。荷姿が積載効率を考慮された設計になっていて、貨物コンテナに効率的に収まるのであれば、計算が不要になる
- 荷姿が常に変動したり、荷姿が相違する荷を搭載する際には積付け計算は必要
- 3次元の積付けは3次元の荷姿マスターを持っていないとできない上、3次元グラフィックスを使用してシミュレーションで空間を埋める計算を行う必要があるため、計算は簡単ではない。その上、接触面の制約、重量と、上下積み上げの際の強度などのも考慮の必要がある
- 従って、マスター整備ができない、計算ロジックが現実的ではないなどの理由で積付け計算は人手に頼っているケースが多いのが実態
最適ルート計算
- 日本の場合
- 欧米に比べ道路事情が複雑で市内走行も渋滞や工事が頻発するため、最適ルート計算をしても役立たないものになる。
- カーナビが発達し、渋滞情報もわかるため、ドライバーの適時判断が有効
- 日本でのTMCにはそれほど必要な機能ではない
輸配送計画の可視化
- 配車したら配車計画をビジュアルに可視化
- どのトラックが配車されたか、運行回数は何回で、何時から何時まで輸配送で稼働するか
- 行きの積載効率、帰りの積載効率などを表示
- 計画結果がビジュアルになれば、遊んでいる車両や帰りの便で空の運行になっているなどの状況が可視化される
- トラック稼働や積載効率向上のためのアラートにもなる
輸配送指示・オーダーの発行
- 配車計画が終了したら、輸配送指示または外部の輸配送業者にオーダーを発行
TMSの機能:運行管理、動態管理
- 運行管理は昔から、タコメーターや日報で行われてきた業務でそれなりの蓄積がある
- デジタルタコメーターから電子データを取得できるようになり運行データの可視化も容易になってきた
- デジタルタコメーターや車両に取り付けたセンサーから、逐一状況を把握できるようになり、車両の動態管理も可能になりつつある。
- リアルタイムに車両状況が把握できるようになると、本部からさまざまな指示が出せるようになると想定される
- 一方本部からの指示でどれほど効率的な対応ができるかは未知数
- 例えば停車が長い車両のドライバーに連絡を取る、急発進、急加速が多いドライバーに注意を促す、荷台が空の車両があれば求貨するなどの活用シーンが想定されているが、ビジネス的に意義がある現実的なことなのかはこれからの課題
- 車両の動態管理ができるようになったとして、今後どのように使っていくのかは、まだまだこれからの話
- 製造現場のIoTをどのように使うことができるかといった議論に近いものがある
- ニーズではなく、技術シーズ先行の場合は、導入やシステム化には慎重に臨む必要がある
運行管理の機能
デジタル・タコメーターからの運行実績情報の取得
- デジタル・タコメーターから運行実績情報を取得する
運行実績情報の登録
- 運行実績データを登録する
- デジタル・タコメーターからの情報をデータベースに蓄積するとともに、デジタル・タコメーターでは取ることのできない運行実績情報を入力する
- 近年、PDAやモバイル端末から運行実績情報を入力できる仕組みも登場している
- たとえば、次のようなステータス情報が入力できる。非運転中のステー圧を取得できれば作業分析まで可能になる
- 積地着/積込中/積込終了
- 待機中(留置中)
- 卸地着/荷卸し中/荷卸し終了
- 休憩中/給油中
日報作成
- 紙で作成していた日報の電子化
- 事務所に戻っての入力も不要にできる
運行実績の可視化
- 運行実績を分析しやすいように可視化
- 一覧で見せるだけでなくグラフ化が有効
- 稼働率グラフ
- 積載効率グラフ
- 急発進回数、急加速回数、急ブレーキ回数
- 燃費時系列
- 作業時間の比率
データのダウンロード機能
- さまざまな分析に活用できる
© 2006 矢木浩人