「接続詞」の版間の差分
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2020年2月15日 (土) 08:33時点における版
目次
接続詞
文章 |
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この本のまとめ
タイトル通り、一読するだけでも、文章の論理構成を明確にし、また文章の幅を広げるのに役立つ。 頭の中が混乱している状況で、文章を考えながら書いているとはちゃめちゃになりがちだが、接続詞を意識することで、かなり構造が明確になる。 たとえるなら、スパゲッティーなソースコードがリファクタリングされる感じ。 日本語で読み書きされる方にはお勧め。
四種十類
- 論理の接続詞
- 順接
- 「だから」系
- 「それなら」系
- 逆接
- 「しかし」系
- 「ところが」系
- 整理の接続詞
- 並列
- 「そして」系
- 「それに」系
- 「かつ」系
- 対比
- 「一方」系
- 「または」系
- 列挙
- 「第一に」系
- 「最初に」系
- 「まず」系
- 理解の接続詞
- 換言
- 「つまり」系
- 「むしろ」系
- 例示
- 「たとえば」系
- 「とくに」系
- 補足
- 「なぜなら」系
- 「ただし」系
- 展開の接続詞
- 転換
- 「さて」系
- 「では」系
- 結論
- 「このように」系
- 「とにかく」系
論理の接続詞
- 前後の文脈を条件関係によって、関連付ける
- 読み手の推論を限定
- 文章の論理性や説得力を高める
順接
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
だから | 原因-結果の橋渡し | 前提内容は読み手が理解している内容 |
それなら | 仮定をもとに結果を考える | 「それでは」「すると」「そうすると」「そうしたら」「だとすると」「だとしたら」、否定形として「そうしないと」「そうでないなら」「さもないと」話し言葉中心、用法に大差なし |
逆接
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
しかし | 書き言葉での使用頻度多 | ジャンルを問わない、安易に使われがち |
ところが | 強い意外感 | 「ところが」「にもかかわらず」「それなのに」「なのに」「そのくせ」うまく使うと文章に奥行きと広がり |
整理の接続詞
- 類似の内容が対等に並んでいることを示す
- 複雑な内容を整理、分類する
並列
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
そして | 便利な接続詞、話をあとから付け足していくことができる | 「そして」「それから」「また」 |
それに | 既に示したものに重ねる感じの強いもの | 繰り返し使用できない「それにくわえて」「そればかりか」「そのうえ」「しかも」「ひいては」 |
かつ | 論理を重視した厳しい感じ | 「かつ」「および」「ならびに」 |
対比
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
一方 | 2つの物事の相違点に注目し対立を表す | 「一方」「他方」「それに対して」「反対に」「反面」「逆に」 |
列挙
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
第一に | 並列の接続詞に番号付け(1)、文章のなかの箇条書き | 「第二に」「第三に」・・・ |
最初に/はじめに | 並列の接続詞に番号付け(2) 順序を重視 | 「つづいて/ついで」「その後」 |
まず | 並列の接続詞に番号付け(3) 列挙のオールマイティ | 「つぎに」「さらに」 |
理解の接続詞
- 読み手にとって不足している情報の補填を予告する
- 先行文脈の内容を分かり易く、イメージ豊かに
換言
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
つまり | 端的な言い換えで切れ味 | 「つまり」「すなわち」「要するに」「いいかえると」「換言すると」「いわば」「いってみれば」 |
むしろ | 否定することで表現を絞る、先行文脈を否定的に受け、後続で肯定 | 「むしろ」「かえって」「そうではなく」「否」「とういより」「というか」「かわりに」「そのかわり」 |
例示
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
たとえば | 抽象と具体の往還を助ける | 「たとえば」「具体的には」「実際」「事実」 |
補足
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
なぜなら | ここからが理由だということを予告 | 「なぜなら」「なぜかというと」「だって」「なにしろ」「なにせ」「というのは」「というのも」 |
ただし | 補足的だが、理解に役立つ情報が続く | 「ただし」「もっとも」「なお」「ちなみに」 |
展開の接続詞
- 話の本筋を切り替えたりまとめたり
- 文書全体を大局的に捉える
- 文書をとおして、書き手の言いたいことを伝える
転換
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
さて | 周到な準備のもとさりげなく使用 | 「さて」「ところで」「それにしても」「それはそうと」「それはさておき」 |
では | 話の核心に入ることを予告 | 「では」「それでは」「じゃあ」 |
結論
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
このように | 素直に文章をまとめる | 「このように」「こうして」「かくして」「以上」「結局」 |
とにかく | 強引に結論へと急ぐ | 「とにかく」「いずれにしても」「いずれにしろ」「どっちにしても」「どっちみち」 |
文末の接続詞
- 文末で構造化に貢献
- 接続詞に準じる
否定
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
のではない | 読み手の心に疑問を生む | |
だけではない | ほかにもあることを予告 | 「だけではない」「ばかりではない」「にかぎらない」「にとどまらない」 |
疑問
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
か | 後続で、答えが得られるだろうという予測に結びつく | 「か」「のか」「のだろうか」 |
説明
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
のだ | 先行文脈との関連性を示す、文章のながれにタメをつくる | 「のだ」「わけだ」「のである」「のです」「の」「んだ」「んです」 |
からだ | 理由をはっきり示す | 「からだ」「ためだ」 |
意見
系統 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
と思われる | 「私」の判断に必然感を加える | 「と思われる」「と考えられる」「と言える」 |
のではないか | 慎重に控えめに提示する | 「のではないか」「のではないだろうか」 |
必要がある | 根拠を示した上で判断に至る | 「必要がある」「べきである」「なければならない」「てはならない」 |
© 2006 矢木浩人