物流
目次
物流
輸配送と輸配送管理システム
- 物流費の中で輸配送費が占める割合は半分を超えている。
- コストだけでなく納期遵守、納品時の振る舞いなど満たすべきサービスレベルといった輸配送品質も重要
- 安全性も重要
- QCD+S(Safety)を実現するためには、事前に輸配送を計画、可視化、コントロール、実績の収集により改善の継続が必要
輸送と配送の違い、路線便とチャーター便
- 輸送:2拠点間を結んで荷を運ぶこと
- 配送:荷を積んで複数拠点に配荷すること
トラック輸送の場合、路線便とチャーター便がある
- 路線便
- 拠点間を路線のように行き来
- 複数荷主の荷を積んで拠点間輸送を請け負う
- 輸送会社のスケージュールに依存した配車計画となる
- チャーター便
- 一社でトラックを借り上げ、指定した発地から指定した着地に輸送
- スケジュールやルートに自由度
配車計画が輸配送管理の中心業務
- 日本の配車計画は、ベテラン配車担当者によるExcelや紙での配車計画に支えられている
TMS(Transport Management System 輸配送管理システム)
- システムで配車する仕組み
- 配車要求計算(出荷方面集約・ルート集約)、車組み(保有車両割り付け、契約車両割り付け、追加要求車両)、配車指示などの機能
- TMSは古くからあるが、マスター整備の問題と物流を取り巻く他業務との連携を含む運用課題、操作の難易度から、ほとんど使われていない。
- マスターを常に最新化する必要がある、イレギュラー処理が多いと配車処理にイレギュラー処理が増えてしまう
輸送効率の改善
運行効率は、稼働率、実車率、積載効率の掛け算
- 稼働率
- トラックなどの車両が稼働したかの指標
- 実車率
- 実際に荷を積んでいた割合
- 実走行距離(実際に荷を積んでの走行距離) ÷ 走行距離
- 積載効率
- 最大積載量に対して、実際に積まれた量の割合
- 積載量/最大積載量
- 走行距離で荷の積み下ろしがあって積載量が変わる場合
- ((実走行距離×積載量)+(実走行距離×積載量)+・・・)/(実走行距離×最大積載量)
運行効率の測定では稼働率は日ベースになっており、トラックは停車などの非稼働時間があり24時間稼働は不可能なためこれらの時間は管理考慮外とすることが多いが、測定し原因分析を行う。
運行効率は効率をアップするために測定する。稼働率が落ちている場合には荷主を探す、実車率が落ちている場合は帰りの便の求貨をする、積載効率が落ちている場合は詰め合わせを検討するなどの改善策を取る。
物流トラッキング
- 物流トラッキングは現在宅配サービスでは当たり前になってきている
- 近年顧客要望がシビアにあり、時間単位でいつ届くのか、今どこにあっていつ届くのかという要求がでるようになっている
- 企業間取引サービス提供はまだ十分ではない
- ニーズは高いが物流会社だけでなく、荷主側会社の各社仕様の事情で実施できないのが実情
- 企業利点
- 倉庫での荷物の受け入れ準備ができる
- 遅延把握からのアクション
- 積送在庫(輸送中在庫)の把握
- 顧客への正確な納期回答(特に製品在庫が逼迫しているときなど)
受注オーダーと物流オーダーの紐付け
- 物流トラッキングは簡単には構築できない
- 購入企業、物流業者、出荷元企業の伝票ナンバーや輸送に関わる管理ナンバーの統合が必要
- 輸送業者の中にはアグリゲーターといい、出荷から納入先への着荷までをコントロールする業者も登場してきている
- 物流企業とは別に、物流トラッキング情報だけを管理提供するサードパーティ企業も存在
- 荷主の情報と書く物流会社の輸送ステータスを取得、紐付け管理する会社
TMSの機能と導入時の留意点
TMSの基本機能
- TMSの基本機能は配車と運行管理
- 需要変動が激しい昨今では、生産計画の変動も激しくなっているため、輸配送の柔軟性確保は重要課題
配車計画
- 柔軟な物流のために最重要しされているが配車計画
- 配車効率化ができれば、売上・利益に直結
- 輸配送荷物量から必要な配車所要量を計算
- 配車と同時に以下を実施
- 積付け計算:積載効率を最大化させるための最適な積み込みを算出する
- 車組み:ルート別のトラックに割り付けを行う
運行管理
© 2006 矢木浩人